クリニックの平均患者数は?集患できない理由と増患対策6選!
- クリニックにおける平均患者数
- クリニックの安定経営に必要な患者数は?
- クリニックの患者数が増えない要因
- 地域への認知や集患対策ができてない
- 患者さんのリピート率が低い
- 立地や周辺環境に問題がある
- クリニック経営者必見!患者数を増やす6つの方法
- クリニックのホームページを開設する
- SEO対策やSNSマーケティングを行う
- ポータルサイトを活用する
- オフラインの広告活動を実施する
- 問診票を通して患者さんの声を把握・分析する
- リピート率を高める取り組みを行う
- 増患対策とあわせてクリニックの運営体制の見直しも大事
- 業務効率化に必要なツールを導入する
- 業務フローの定期的な見直しを行う
- スタッフの教育体制・採用を強化する
- 適切な集患対策と運営体制見直しで安定経営を目指そう
クリニックの患者数を増やすためには、集患対策とともに運営体制の見直しが必須です。この記事では、集患できない理由を徹底分析。ホームページやSNS、SEO、オフライン広告など、6つの増患対策と運営体制の見直し方法を詳しく解説します。
クリニックにおける平均患者数
| 区分 | 1日の平均患者数 (人) |
|---|---|
| 全体 | 45.6 |
| 内科 | 38.2 |
| 皮膚科 | 58.7 |
| 小児科 | 42.7 |
| 整形外科 | 75.5 |
| 耳鼻咽喉科 | 53.3 |
引用:独立行政法人 福祉医療機構「2020年度(令和2年度)病院・診療所の経営状況(速報)」(図表6)2020年 個人立の一般診療所(無床)および歯科診療所の経営状況(速報)
上記データによると、クリニックの1日平均患者数は45.6人です。診療科目別では、整形外科が75.5人と最も多く、皮膚科58.7人、耳鼻咽喉科53.3人と続きます。
ただし、この数字は診療科目やクリニックの立地、地域の人口などさまざまな要素で大きく変動します。個々のクリニックの状況は多岐にわたるため、この平均値は参考程度にとどめておきましょう。
クリニックの安定経営に必要な患者数は?
患者数が多いほど算定できる診療報酬点数(収益)が増えるため、増患対策は安定経営に有効です。目安として、内科系の平均値である40人ほどを目標にするとよいでしょう。しかし、クリニックごとに診療科目や人件費、医療機器の購入・維持費、家賃などの必要経費も異なります。そのため、目標の患者数は平均値に左右され過ぎないよう、自院の状況に見合った算出を行い、定期的に見直すことも必要です。
一概に患者数を増やすことだけで安定経営につながるわけではありません。安定経営には、一定の患者数を維持した上で、収益バランスの管理を行う必要があります。単に患者数を増やすだけでなく、コスト削減や患者満足度向上によるリピーター確保など、多角的な経営戦略が求められます。
クリニックの患者数が増えない要因
・患者さんのリピート率が低い
・立地や周辺環境に問題がある
地域への認知や集患対策ができてない
地域への認知不足、集患対策がうまく機能していない場合、患者数の増加は難しいでしょう。自院を周辺住民に知ってもらうこと、その上でターゲットの患者層のニーズに応じたサービスや情報の提供が求められます。
たとえば、ウェブサイトやSNSでの情報発信、地域イベントへの参加などが効果的です。
患者さんのリピート率が低い
集患に成功しても、患者さんのリピート率が低いと再診にはつながりません。患者さんが「これからも通いたい」と感じるような、かかりつけ医としての信頼関係を築くことが重要です。
診療の質に加え、丁寧な対応や待ち時間の短縮など、患者さんの視点に立って来院環境を改善することで、リピート率向上につながります。患者満足度を高め、長期的な関係を築く工夫が不可欠です。
立地や周辺環境に問題がある
クリニックへのアクセスが悪い、周辺に同じ診療科目のクリニックがあるといった立地や周辺環境の問題は、集患を妨げます。
患者さんはクリニックを選ぶ際、通いやすさや他の施設との連携などを判断材料にするため、これらの問題はリピート率にも影響します。差別化できる独自のサービス提供を考えるなど、戦略的なアプローチが必要です。
なお、患者数が増加しない原因を分析した結果、明らかに現在の立地や周辺環境の問題が大きいと判断できる場合は、アクセスが良い場所へ移転することも手段の一つです。
クリニック経営者必見!患者数を増やす6つの方法
・SEO対策やSNSマーケティングを行う
・ポータルサイトを活用する
・オフラインの広告活動を実施する
・問診票を通して患者さんの声を把握・分析する
・リピート率を高める取り組みを行う
クリニックのホームページを開設する
現在、多くの患者さんがインターネットで情報を収集しているため、クリニックのホームページ開設は必須です。わかりやすく見やすいデザインで、診療時間やアクセス、診療内容などの基本情報はもちろん、医師やスタッフの紹介、院内の写真を掲載することで、患者さんに安心感を与えられます。
ホームページだけでなく、患者さんが診療予約を行う「予約ページ」の使いやすさや見やすさにも配慮することで、患者満足度向上に役立てられるでしょう。
なお、ホームページを開設しても、情報の更新をせず古い情報を載せたままでは信頼性を損ないます。ホームページは最新情報を更新し、定期的にメンテナンスを怠らないようにしましょう。担当者を配置するのがおすすめです。
SEO対策やSNSマーケティングを行う
ホームページ開設と並行して「SEO対策」を行い、患者さんへの認知度を高めましょう。SEO対策とは、開設したホームページをGoogle等の検索エンジン上で上位に表示させるための施策です。ホームページをより多くの患者さんに見てもらえるようになり、クリニックの認知度を高められます。
また、Instagram・Xなどの各種SNSで、クリニックとして情報発信やブランディングを行う「SNSマーケティング」も行いましょう。自院の日常や医療情報などを定期的に発信し、クリニックの個性や魅力を伝えて認知度向上を図ります。SNSは患者さんとのコミュニケーションを促進し、親近感や信頼関係の構築にも役立つでしょう。
ポータルサイトを活用する
医療機関を紹介するポータルサイトは、多くの患者さんが医療機関を検索する際に利用するプラットフォームです。クリニック情報を掲載することで、より多くの患者さんに知ってもらう機会が増えます。
とくに、地域や専門分野に特化したサイトは効果的です。診療時間やアクセス、医師の専門性を具体的に記述し、写真も豊富に掲載して患者さんの興味を引きましょう。定期的に情報を更新することも重要です。
オフラインの広告活動を実施する
デジタルマーケティングに加え、オフラインの広告活動も効果的です。地域の新聞やフリーペーパーへの広告掲載、看板設置は、近隣住民にクリニックの存在を知ってもらうチャンスです。
インターネットを使わない層にもアプローチでき、地域イベント協賛や健康セミナー開催も地域住民との接点を増やし信頼感を高めます。オンラインとオフラインの両面からアプローチし、クリニックの存在感を高めて広範な層への集患を目指しましょう。
問診票を通して患者さんの声を把握・分析する
問診票に「当院を知ったきっかけ」を問う項目を設けることで、患者さんの流入経路を把握し、効果的な集患対策の分析に役立てられます。Webサイトや紹介、オフライン広告など、具体的な情報から今後の戦略を立案することが可能です。
また、「改善点」などの項目を追加すればニーズや不満を直接把握でき、サービス向上にもつながります。収集した情報を定期的に分析することで、効率的に患者志向の経営を実現できるでしょう。
リピート率を高める取り組みを行う
・次回予約システムを導入
・オンライン診療予約システムやWeb問診の導入など
リピート率を上げるために、第一に質の高い医療の提供が必須ですが、質に加え利便性の向上が重要です。たとえば、次回予約システムを導入し、診察終了時に次回の来院を促すことで、スムーズに再診へつなげられます。
また、オンライン診療予約システムやWeb問診の導入は、患者さんの予約手続きの負担を軽減し、待ち時間の短縮にもつながります。患者さんの利便性を重視し、満足度を高めることがリピート率向上に有効です。
増患対策とあわせてクリニックの運営体制の見直しも大事
集患・増患対策をすすめる上で、クリニックの運営体制の見直しも不可欠です。患者数が増えても、院内で増患に対応できる体制が整っていないと、待ち時間の増加や患者満足度の低下を招きかねません。そこで、院内の運用体制の見直し方法を3つご紹介。自院に合った方法を考える際の参考にしてください。
・業務フローの定期的な見直しを行う
・スタッフの教育体制・採用を強化する
業務効率化に必要なツールを導入する
・電子処方箋
・予約管理システム
医療DXの基盤となる業務効率化ツールの導入は、「業務効率化」「医療の質向上」「働き方改革」に貢献します。たとえば、電子カルテや電子処方箋、予約管理システムなどは事務作業を減らし、スタッフが患者対応に集中できる環境を整えます。
ツールの選定時には、使いやすさやコストパフォーマンス、サポート体制、セキュリティなどを考慮し、最適なものを選びましょう。