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目次
  • 患者満足度とは
    • 患者満足度はどんな要因で決まる?
  • 患者満足度の向上が医療機関にもたらす影響
    • 評判・信頼性が向上する
    • リピート率が高まって集患できる
    • 医療機関の経営状況改善につながる
  • 【職員の行動】患者満足度向上を目指す取り組み4選
    • コミュニケーションの質を高める
    • スタッフの教育体制を整える
    • 職員全体でプライバシー保護の意識を高める
    • 施設内の清潔・快適性を保つ
  • 【職場の環境】患者満足度向上を目指す取り組み5選
    • 利便性を高めるツールを導入する
    • 患者さんの相談窓口を開設する
    • アンケートの実施・投書箱の設置をする
    • 古い設備は新しいものに変える
    • 地域貢献に役立つ機能を整備する
  • 患者満足度向上に取り組むときの3つのポイント
    • 期間を定めて目標を設定する
    • 職員の負担がかからない範囲で取り組む
    • 患者さんからの声を今後の取り組みに活かす

「患者満足度」の向上は、安定した病院経営を続けるために欠かせません。本記事では、患者満足度を向上する取り組み10選と、取り組みを行う際のポイントをご紹介します。地域住民からの信頼を得て、長く親しまれる医療機関を目指すために、ぜひ参考にしてください。

患者満足度とは

 

患者満足度とは、患者さんの立場から提供される医療サービスの質を総合的に評価したものです。患者さんが抱く期待に対して、実際に提供された医療サービスや対応がどの程度満足できるものであったかを示します。

患者満足度は、医療機関の評判や信頼性を高める重要な指標の1つです。医師の医療技術や診療の質、医療事務スタッフの対応、施設の清潔さ、待ち時間、説明のわかりやすさ、プライバシーの保護など、多岐にわたる要素から成り立ちます。

患者満足度はどんな要因で決まる?

・予約時の対応が丁寧である
・病院施設が清潔感にあふれている
・医師の診断技術が高い
・待ち時間が少なく、スムーズに診察・治療が進む
・インターネットなどで病院の情報がしっかりと公開されている
 

患者満足度の度合いには、医療サービスの質が大きく影響します。医師や看護師の対応の丁寧さ、処置の正確性などが大切な要因です。また、医師や看護師の考えを押しつけるのではなく、患者さん本人が納得して治療を受けられる環境であることも患者満足度に直結します。

その他、医療事務スタッフの親しみやすさ、清潔感のある施設であるかどうかなど、治療以外の要素も患者満足度に影響。医療機関において提供するサービスや対応すべてに木を配る必要があります。

患者満足度の向上が医療機関にもたらす影響

・評判・信頼性が向上する
・リピート率が高まって集患できる
・医療機関の経営状況改善につながる
 

患者満足度が向上すると、医療機関の評判や信頼性アップ、リピート率アップなどよい効果が見込めます。医療機関にもたらすプラスの影響にどんなものがあるか、具体例をチェックしましょう。

評判・信頼性が向上する

医療機関にとって、評判と信頼性の向上は極めて重要です。患者満足度が上がると、人づてや口コミなどでよい評判が広まり、新規の患者さんの開拓につながります。

また、医師や看護師と患者さんの間で信頼性も高められるでしょう。患者さんから治療に必要な細かな情報を聞き出すことができ、より質の高い医療の提供を達成できます。よい関係性を築き上げ、さらに患者満足度が向上するループを構築していきましょう。

リピート率が高まって集患できる

よい評判を増やして地域からの信頼を獲得できれば、患者さんのリピート率が高まります。再診の患者さんが安心して通院できる環境を整えることで、新規患者さんの獲得を促進する効果も期待できるでしょう。リピート率の向上は、結果として効果的な集患につながります。

医療機関の経営状況改善につながる

リピート率向上と新規の患者さんの獲得が続けば、医療機関は安定した収益を確保できるようになります。安定した運営によって、経営状況改善に役立つでしょう。

収益や経営状態が安定すると、スタッフの給与や賞与、教育のほか、設備投資などに回す資金も生まれます。スタッフのモチベーションが向上し、離職率の低下を目指せるケースも。

また、よい評判の多い医療機関は優秀な人材の獲得も容易です。患者満足度を向上する取り組みは、医療機関全体の健全な運営に欠かせません。

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【職員の行動】患者満足度向上を目指す取り組み5選

・コミュニケーションの質を高める
・スタッフの教育体制を整える
・職員全体でプライバシー保護の意識を高める
・施設内の清潔・快適性を保つ

 

患者満足度の向上を目指すには、医療機関で働く職員たちが共通認識を持って行動することが大切です。職員の行動として、行うとよい取り組みを紹介します。

コミュニケーションの質を高める

医師や看護師、薬剤師、医療事務など病院の運営に関わるすべてのスタッフが、コミュニケーションの質を上げる意識を持ちましょう。医師は、形式的なインフォームドコンセントではなく、患者さんが心から理解・納得できるような治療方針の説明や配慮が必要です。

医療事務など受付スタッフには、高い接遇スキルが求められます。相手に寄り添う丁寧なコミュニケーションを行うことで、患者さんの不安や疑問が解消され、結果的に患者満足度の向上につながるでしょう。

【具体的な取り組みの例】

・医師は患者さんの視点に立ち、患者さんがよく理解できるよう丁寧な説明を行う
・受付スタッフは接遇スキルを高め、患者さんに寄り添う関わり方をする

スタッフの教育体制を整える

医療や看護の技術は日々進歩しています。各スタッフの教育体制を整備して、定期的な研修や勉強会を開き、スタッフの医療知識や技術の更新を促す取り組みをしましょう。

スタッフのスキルアップは、質のよい医療サービスの提供につながります。また、研修や勉強会を通して、チームワークの強化も可能です。チームの関係性がよくなると、業務の効率化やミスの防止に役立ち、患者満足度の向上にも寄与します。

【具体的な取り組みの例】

・医療機器メーカーの担当者を招いた講習会を実施する
・チームビルディングを行い、良好な関係性の構築を行う

職員全体でプライバシー保護の意識を高める

医療機関ではたくさんの個人情報を扱うため、スタッフのプライバシー保護への意識・管理能力の向上が欠かせません。患者さんの名前の呼び方に配慮する、処置室の業務がほかの人の目に触れないよう仕切りを設ける、などの工夫を行います。

また、パソコンなどから情報の流出を防ぐために、ITリテラシーも身につけましょう。プライバシー保護の意識を医療機関全体で共有することで、患者さんからの信頼獲得・向上につながります。

【具体的な取り組みの例】

・個人情報の取り扱いに関する研修を行う
・セキュリティー対策ソフトを導入し、技術面からも情報管理を徹底する

施設内の清潔・快適性を保つ

施設内を清潔に保つには、定期的な清掃や消毒、換気が必須です。施設内をきれいな環境にすることで、患者さんの再訪意欲を高めます。

また、病床がある医療機関の場合は、入院病棟内の各設備や車椅子、歩行器などの備品、待合室の椅子など、すみずみまで行き届いた整備が重要です。病院スタッフだけでまかないきれない場合は、専門の清掃業者に依頼して品質を担保する工夫をしましょう。

【具体的な取り組みの例】

・清掃やメンテナンスのサイクルを決め、漏れがないように心がける
・専門業者に依頼し、清掃の品質を担保する

【職場の環境】患者満足度向上を目指す取り組み5選

・利便性を高めるツールを導入する
・患者さんの相談窓口を開設する
・アンケートの実施・投書箱の設置をする
・古い設備は新しいものに変える
・地域貢献に役立つ機能を整備する
 

医療機関内の設備やシステム面の改善も、患者満足度向上に役立ちます。具体的な取り組みの例を5つご紹介しますので、参考にしてください。

利便性を高めるツールを導入する

IT技術の進化に伴い、医療の現場においても便利なツールが多数開発されています。オンライン予約システムを導入すれば、来院予約の手間が省けて待ち時間を短縮できるなど、患者さんのストレスを軽減する効果が期待できます。

また、Webサイト上の情報を常に最新に保つ、院内に公共交通機関の時刻表やアクセス方法を掲示するなども利便性の向上に重要です。患者さんの目線に立ち、自院を利用する患者さんの層に合わせて対策することで、利便性向上につながります。

【利便性を高めるツール・システムの例】

・オンライン予約システム
・電子処方箋 
 

患者さんの相談窓口を開設する

患者さんのニーズは年々多様化しています。幅広いニーズを汲み取るために、相談窓口を設けて患者さんからの意見や要望を直接聞ける環境を整備しましょう。今後の医療サービス向上のヒントになるだけでなく、患者さんとの信頼関係を築く場としても活用できます。

また、事前に患者さんの要望や意見を聞いておくことで、診療にかかる時間を短縮でき、業務の効率化や待ち時間の短縮などにも有益です。

【具体的な取り組みの例】

・診療前に相談を受けられる窓口を設置する
・過去にあった質問と回答をWebページにまとめ、患者さんの疑問解消に貢献する

アンケートの実施・投書箱の設置をする

アンケートは、患者さんの意見や要望を直接収集できる便利なツールの1つ。匿名で回答もできるため、より素直な意見を集められるでしょう。

また、相談窓口に行くのに抵抗がある患者さんの声を収集しやすいメリットもあります。院内に投書箱を設置する方法以外にも、来院者にメールでアンケートを送付するなどの手段もおすすめです。

【具体的な取り組みの例】

・診療の終了時にアンケート用紙を配布する
・来院者に後日メールを送付し、アンケートへの回答を依頼する

古い設備は新しいものに変える

医療機器は日々進歩を遂げています。施設内の設備が古くなっている場合、新しいものへ変更することでサービスの質が向上し、患者満足度アップにつながるでしょう。

また、医療機器だけでなく、椅子やテーブルなど施設設備の状態確認も重要です。患者さんが快適に利用できるよう、すみずみまで気を配りましょう。設備を更新することで省エネ効果も生まれ、経費の削減に貢献できる場合もあります。

【具体的な取り組みの例】

・最新の医療設備を導入する
・LED照明や省エネエアコンなど、ランニングコストを意識した設備を導入する

地域貢献に役立つ機能を整備する

医療機関は、地域の健康を支える重要なインフラとしての役割もあります。患者さんに普段から親しみを感じてもらえるよう、健康増進イベントやセミナーを開催し、地域住民との関わりを強化しましょう。

特有の疾患や高齢者向けサービスなど、地域の事情に配慮したイベントを開催すると集客が期待できます。対面でのイベント開催が難しい場合は、SNSやWebサイトから情報を発信することもおすすめです。

【具体的な取り組みの例】

・高齢者向けの健康増進セミナーを開催する
・SNSやインターネット通して、健康に関する情報発信を行う

患者満足度向上に取り組むときの3つのポイント

・期間を定めて目標を設定する
・職員の負担がかからない範囲で取り組む
・患者さんからの声を今後の取り組みに活かす

ここまで紹介してきた10個の取り組みの内容を踏まえ、実際に実施をする際に抑えておきたいポイントについても紹介します。

期間を定めて目標を設定する

患者満足度向上に取り組む際は、短期・中期の目標を立てて、いつまでに実施するのか明確にしておきましょう。目標を立てることで、スタッフ全員が一丸となって取り組む環境を構築できます。

反対に、目標を設定しないまま取り組みを開始すると、実際に起きた変化が不透明になりがちです。活動を進める際には、アクションプランの作成と役割の明確化、定期的な進捗確認も一緒に行いましょう。

職員の負担がかからない範囲で取り組む

立案した取り組みをすべて同時に進行すると、スタッフに負担がかかり、改善施策が反対にマイナスの影響をもたらします。すべての取り組みを最初から一度に行うことは困難です。医療機関の規模やスタッフの人数を踏まえて、無理なく取り組みを行いましょう。

成功事例を1つでも作ることができれば、次の改善施策を打ち出しやすくなり、より患者満足度向上の意欲を上げられます。

患者さんからの声を今後の取り組みに活かす

アンケートや投書箱、相談窓口などの取り組みを行う場合、患者さんからもらった声はサービス改善の重要な資源の1つです。真摯に向き合い、今後の取り組みにしっかりと反映させていきましょう。

患者さんの声を集めても何も改善しない場合は、その姿勢そのものがマイナスの評価を得てしまう可能性があるため注意してください。