◆はじめに
介護業界では、人材不足や高齢化の進展により、業務効率化とサービス品質向上が喫緊の課題となっています。 こうした背景を受け、国は「介護DX」を強力に推進しており、その中心となる取り組みが 「介護情報基盤」 です。
介護情報基盤は、2026年4月から準備の整った自治体より順次運用開始されており、2028年度までに全国展開を目指しています 。
◆介護情報基盤とは
介護情報基盤とは、介護保険情報・ケアプラン・LIFE情報など、介護に関する多様なデータを電子的に管理し、 自治体・介護事業所・医療機関が安全に共有できる仕組みです。
これまで介護情報は自治体や事業所ごとにバラバラに管理され、紙・FAX・電話によるやり取りが中心でした。 介護情報基盤の整備により、必要な情報をオンラインで参照できるようになり、情報共有の迅速化と事務負担の軽減が期待されています。
◆期待されるメリット
1. 情報共有の効率化
要介護認定情報、ケアプラン、LIFE情報などがオンラインで確認でき、紙書類のやり取りや転記作業が大幅に削減されます 。
2. 業務負担の軽減
介護保険資格確認や申請手続きが電子化され、自治体・事業所双方の事務作業が効率化されます。
3. 医療・介護連携の強化
主治医意見書の電子送信など、医療機関との連携がスムーズになり、利用者へのサービス品質向上につながります 。
◆自治体の対応状況(2026年時点)
介護情報基盤は 全国一斉スタートではなく、自治体ごとに開始時期が異なる のが大きな特徴です。
● 段階的な導入スケジュール
- 2026年4月〜:標準化対応が完了した自治体から順次運用開始
- 2028年4月までに:全自治体での本格運用を目指す
● 実際の進捗は地域差が大きい
厚労省調査(2025年2月)では、
- 2025年度中に導入見込み:32.9%
- 2026年度中:27.8%
- 2027年度中:28.6% と、自治体ごとに大きなばらつきがあることが示されています 。
● 2026年4月時点で利用可能と公表されている自治体
- 大分市
- 別府市 (2026年4月14日時点)
最新の対応状況は、国保中央会の「介護情報基盤ポータル」で都道府県別に確認できます 。
◆介護事業所・医療機関が準備しておくべきこと
介護情報基盤を利用するには、以下の環境整備が必要です。
- インターネット接続環境の確認
- カードリーダーの導入
- クライアント証明書の設定
- 介護情報基盤対応システムへの更新(標準仕様4.0対応)
- セキュリティ対策の見直し
- 介護保険資格確認等WEBサービスの初期設定
医療機関では、主治医意見書の電子送信など、新たな運用も順次開始されます。
◆今後の展望
国は 2028年度までに全国の自治体で介護情報基盤の活用開始 を目指しています 。
今後は、
- ケアプラン
- LIFE情報
- 住宅改修・福祉用具情報 など、共有されるデータの範囲がさらに拡大する見込みです 。
介護DXの推進に伴い、事業所・医療機関ともに、システム環境の整備と運用ルールの見直しがますます重要になります。
◆まとめ
介護情報基盤は、介護DXを支える中核的な仕組みであり、 業務効率化・情報共有の高度化・医療介護連携の強化 に大きく寄与します。
ただし、自治体ごとに導入時期が異なるため、 「自分の自治体がいつ開始するのか」 を定期的に確認しながら、早めの準備を進めることが重要です。
制度改正の動向を踏まえつつ、事業所・医療機関として必要な環境整備を計画的に進めていきましょう。